2025.04.08
★合併号★【カフェつぶえ】~これぞ現在の認知症ケア~
新年度が始まり、少し時間が過ぎました。見事に咲いていた桜も花弁が落ち始め、みどりの若葉が多く見えるようになりましたね。
先日、春頃に雷が鳴り、雹(ひょう)が降ってくる「春雷」という現象を目にしました。春雷は春の季語として俳句や短歌でも使われる言葉だそうで、昔から春の訪れを知らせる現象のひとつだそうです。春を告げるうぐいすや満開の桜も朗らかな気持ちにさせてくれますが、たまには雷のような、荒っぽい春の知らせがあるの面白いものです。
それでは、今回も2月、3月に開催したカフェつぶえのご紹介です。
2月のテーマは「私のことを私抜きに決めないで ~パーソンセンタードケアの考え方~」。講師は倉敷南高齢者支援センターから、小林が務めました。
パーソンセンタードケアとは、認知症のひとをひとりの個人として尊重し、その人の視点に立ったケアを行う考え方です。そのひとの性格、趣味嗜好、どんな人生を歩んできたのかなど、その人の個性を知ることが第一歩。その情報をもとに、その人が言葉にしない、できない本心を汲み取り、接することが大切です。
こうした認知症のひとに寄り添ったケアが、認知症のひとの感じるストレスを緩和し、状態が安定させます。それが結果として、介護者側も負担が軽減させると言われています。
とはいえ介護は体力と忍耐が必要になるもの。ひとりや家族だけで負担を抱えこみ過ぎず、適度に息抜きをしたり、市や高齢者支援センターなどに相談するという手段もあることを忘れないでくださいね。
演奏には「ACUA100」さんというバンドの方々をお招きしました。今年度二度目の登場となりますが、変わらず本格的なバンド演奏を披露してくださいました。
3月のテーマは「認知症になってもいきいきと過ごせるデイサービスがあります」。
創心会 五感リハビリ倶楽部の管理者、三宅潤さんにお越しいただきました。
これまでのデイサービスでの仕事で関わってきた方の中から、好事例をご紹介いただきました。
三宅さんは、認知症になっても人と信頼関係を築くことができること、自分の得意なことや好きなことへの関心は変わらないと、肌で実感してきたそうです。介護者が負担に思うことの多い徘徊や暴言が、生活リズムを整えることで抑えられた例も。ご本人がやりがいを感じることを続けてもらえば、表情も明るくなると。
親しい人と一緒にいれば表情が明るくなり、やりがいのあることに熱中する。こうしてみれば、まだ認知症になっていない私たちと変わりないように思えますね。
続いてカフェタイムです。アコーディオン奏者の高見淳さんをお招きしました。
朧月夜をはじめ、皆さん一度は聞いたことのある有名曲を何曲も演奏してくださいました。
去年度も多くのお客様にお越しいただき、ありがとうございました。今年度も変わらず毎月第4月曜日にカフェを開催する予定です。次回は4月28日。「“介護は長丁場” 症状の軽いうちから「共感」が得られる場に顔を出しましょう」というテーマで、認知症の人と家族の会岡山県支部の代表をされている安藤光徳さんをお招きします。
我々支援者側でなく、家族の視点からみた認知症と介護をご講演いただきます。ぜひご参加ください。